Qファクターで走りを変えよう!意外と侮れないQファクター変更の費用対効果
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この記事の要約をすると、Qファクターを広げた→速くなった。以上です。
ここ半年ほど、ペダルエクステンダーを用いて、Qファクターの大小が走りに影響あるのか試していました。そして、ここ最近予想していたことが確信に変わったので記事にしてみました。やはり"Qファクターは狭い方が良い" とは言えません!
(注: 当然ですが広ければ良いと言っているわけではありません。念のため。)
Qファクターとは?
定義ではクランク左右の取付面間の距離となっています。
(余談ですが、工学 機械系の人であればQ factorは振動系の共振ピークの鋭さを表す無次元値、Q値を連想させると思います。この場合QはQuality。)
だから本来Qファクターはどのクランクを使っているかで、固定されてしまう値なんですね。クランク購入するときに歯数とクランク長は見るけど、Qファクターなんてまず気にしませんね。
ただ、定義通りだとフィッティングするとき何の役にも立たないんで、実用上は"Qファクター=左右ペダル間距離" となっています。ここでもそのつもりで話を進めます。
もっと細かく言うと、左右のクリート間距離になるのかな。
検索でQファクターを調べると、自転車探検!様のサイトが出て、
(自転車のQファクターのQはアヒルの鳴き声Quackらしいですよ、初めて知った!)
Qファクターを狭くする利点として
・空気抵抗小
・伝達効率大
が挙げられています。
ロード界では、Qファクターを狭くしたほうが良いという通説がこびりついてしまっている現状です。
そりゃあ、人間が歩く・走るといった基本動作をするときQファクターはほぼゼロになりますからね、感覚的には狭いほうが良いんだと思ってしまいやすいでしょう。
でも自転車は歩く・走るとは全く異なる動作です。椅子から片足で立ち上がるときに、Qファクターがゼロの方がやりやすいですか?私は少しQファクターがあったほうがやりやすいんですが・・・・。
とまぁ、狭Qファクター推奨の雰囲気があるにも関わらず、その根拠が薄いし、結局個人差に収まってしまうと思うので、手っ取り早くQファクター広げる実験をしてみることにしました。
動機はもうひとつあります。
ロードで単独巡航する場合は擬似TTポジションをとるのですが(両腕を畳んで、体の前面投影面積にすっぽり収める姿勢)、サドル先端1点で座る前傾姿勢&前乗り状態で、普通に漕ぐとヒジに膝が当たります。なので両膝を極端に開いてペダリングするしかないのですが、Qファクター広げてしまえばOKになるためです。
ペダルエクステンダーを使用
今回使うのはこいつです。
ペダル軸にかませて、Qファクターを稼ぎます。
BIKEFITの20mmペダルスペーサーです。
20mmというのは左右合わせて20mmではありません、片方で20mm延長です。
つまり左右で、40mmもQファクターが広がります。
Qファクターを数mmレベルで狭くしようと努力している人にとっては、まるでデタラメなモノですね。5000円以上もするし・・・どう考えても無駄な買い物である。でも自分の考えを信じ、購入してみました。
重量はペアで90g。
ずっしり重く、どう見てもただの分銅です。
高いわ、重いわ、Qファク広くなるわで、市場からするとまるでいいところがない。
正確には長さは片方19mmでした。ペアでQファクター38mm延長です。
ペダルスペーサーを付ける前後のクランク部を比較すると、
写真からはみ出さんばかりの勢いで伸びてますね。
そしてこのペダルエクステンダー最大の弱点。それは、
そうです、ペダル取り付けに六角レンチが使用できません。
ペダルレンチを使わないと取り付けができません。
必然的に、使用できるペダルのタイプは、
このように、ペダル軸にレンチが使えるものに限られます。
そして、このタイプのペダルは現在では絶滅危惧種です。特にハイエンド品になるほど。画像はSHIMANO のSPD-SLペダルで、一番安いPD-R540(金属)と、次に安いPD-R550(樹脂)です。
ペダルスペーサー使うためだけに購入したペダルです。
105ペダルのPD-5800から上はもうペダルレンチ使えないのでアウトです。他社でも同じ状況です。金属ペダルだったPD-5600とかの時代なら許されたのですが・・・。
実は、Qファクター広くしたほうがいいんじゃないか説検討し始めたのが去年で、このペダルを新しく買わなければならないという理由で先延ばしになっていました。そして旧ペダルのプレート割るまで使ったので、交換ができた次第です。
でも安心して下さい、
20mmHex+ペダルスペーサーキット
ペダルレンチ使わないタイプのペダルにも対応可能な20mmHex+ペダルスペーサーキットがBIKEFITから出ています。
税別6780円!・・・・また買わなければならないのか・・・・。
Qファクター延長が何をもたらすか?
〜な気がするレベルではないので、簡潔に書きます。
自分の場合、Qファクター延長によって、
- トルクは劇的に上がった
- ケイデンスの変化は気がつかない
- 膝痛等の故障はない
となりました。
顕著なのはトルク(バンド)増大です。念のためですが、パワーが上がったわけではありません。自分なりに、トルクをかけるぞ、というポジションをとりさえすれば、回せなかった歯数を回すことができるようになりました。平地でアウタートップ(52×11)も、効率は悪いだろうが、常用できなくはないレベルで使うことができました。走りに余裕が生まれます。
そもそも、この効果、Qファクターが広いペダル、VISTAペダルとCrankTipペダルで経験済なので、恐らくそうだろうとは思っていましたが、普通のペダルでもQファクター延長で体感できますね。回転時にQファクターが変化するnikolaペダルも購入候補ではありましたが、どうであるか気になるところです(現在はまだ様子見。多分細かい所で不具合起こるはずなので)。
Qファクター延長は、プロのスプリンターでも行っている人は少なくないので(なかでもカベンディッシュのペダル軸延長は有名)、もっともらしい効果ですね。
ケイデンスのみの対応では加速する際に限界があるので、大きい歯数が使えるというのは加速時に非常に重宝します。試しに、Qファクター元に戻して同じように走ったら、なんだこれ!?リアがロックしてんのか?と驚く程トルク出ませんでした。
トルクが上がったというのは語弊ですね、正確には本来のトルクが掛けやすくなった、ですね。それにより加速しやすくなったので、ロードでは速く走れる場面が多くなったということです。書いてると当たり前のことのように思えてきたけど、Qファクターを38mmも延長してから、体感するレベルの話です。
そして回しづらくなるかと思いましたが、ケンデンスは顕著に下がることはありませんでした。でもそれなら、Qファクター広ければいいことになってしまうので、実際には回しづらくなってるはずでしょうね。でも違和感は感じられませんでした。そもそも、全てのギアを回しきってしまう状況なんてロードでは考えにくいですから、回しやすさばかり重視するのはどうなの・・・と思ってしまいます。
最後に、膝に痛みが出るのではないかと懸念しましたが、杞憂でした。
欠点は、カーブでペダルヒットしやすいこと。これはしょうがない。
ということで、Qファクター延長は採用していくことにします。
クランクもますますシマノ一択ということになりますね(シマノ製クランクはQファクターが他社よりも大きい。公表してないけど)。
ちなみに・・・
ebay見たら、1000円台でもペダルエクステンダー売っていました。